日本のスタートアップ企業であるCellid株式会社は、ARグラス関連技術の開発を行っており、新たな資金調達により累計調達額を約64億円に達しました。今回のシリーズCラウンドには、三井住友信託銀行やみずほキャピタルなどが参加し、約11.6億円を調達しました。その資金は主にARディスプレイモジュールの量産体制構築に充てられ、研究開発のための人材採用や開発拠点の拡充も進められます。Cellidは「光学シースルーディスプレイ方式のウェーブガイド」という技術をコアに、ARグラスの薄型化と高性能化を目指しており、今後の量産化および国内外の市場拡大を目指します。
Cellid株式会社は、渋谷区の公共施設工事現場でARグラスを利用した遠隔作業支援の実証実験を行いました。この実験は「キングサーモンプロジェクト」の一環で、工事現場の人手不足や技能継承の課題に対するテクノロジーの活用を検証するものでした。ARグラスを使用することで、作業者の視点をリアルタイムで共有し、安全性や作業効率の向上を確認しました。しかし、表示の見え方や操作性、通信品質の課題も指摘されました。Cellidは今後、医療用ARグラス開発にも取り組む予定で、ARグラスの普及を国内外で推進する計画です。
Samsungは2025年内に新しいXR(拡張現実)グラスを発売する計画を進めています。プロジェクト名は「Haen」で、GoogleのAndroid XRオペレーティングシステムを搭載します。このグラスはAppleのVision Proと競争する先進的なユーザー体験を提供することを目指しており、スマートグラスやARグラスの機能を持つ可能性があります。過去には「Galaxy Glasses」といった商標を登録しており、プロジェクトMoohanも併せて注目されています。SamsungはGoogle、Qualcommのイベントでこれらのデバイスを披露する可能性があります。
XREALの春の新生活セールが開催され、「XREAL Air 2 Pro」が9,000円オフの50,980円、「XREAL Air 2」が11,500円オフの38,480円で販売されています。このセールは3月21日から4月1日まで行われ、AmazonとXREAL公式サイトが対象です。特に、XREAL Air 2 Proではワンタッチで3段階のレンズ調光が可能です。
Metaは開発中のARグラス「Orion」で使用される炭化ケイ素製ウェーブガイドレンズのコスト削減に道筋を付けました。電気自動車産業の成長と製造技術の進歩がコスト削減を可能にし、これによりARグラスの普及が期待されています。炭化ケイ素製レンズは高い屈折率を持ち、視野角の広さ、デバイスの薄型化、軽量化を実現します。コスト削減により、Metaは2030年までに消費者向けのARグラス製造を目指し、スマートフォンやラップトップと同程度の価格帯での提供を計画しています。
Metaは、Orion ARグラスのプロトタイプとそのプロセッサーユニットである『コンピュートパック』の開発について詳しく報告しました。ARグラスが軽量で常に装着可能であることを目指し、プロトタイプではコンピュートパックを無線化し、ポケットに収まるサイズにすることを試みています。当初、ネックに装着するものとして設計されていましたが、無線化することで新たな可能性を発見しました。コンピュートパックは、ビデオ通話のアンカーとして使用できるだけでなく、装置を冷却しながらパフォーマンス向上を図ることも可能です。また、コントローラーとしての利用も考えられています。最終的なOrionの形は未定ですが、このプロトタイプは新しいUXの開発における貴重なデザイン探索の場となっています。
サンワサプライ株式会社は、USB Type-C接続でスマホの充電をしながらARグラスやモバイルモニターに映像を出力することができるType-C拡張アダプタ「500-KC047」を発売しました。このアダプタはPD100Wの急速充電に対応し、4K/60Hzの高精細な映像を出力可能です。Nintendo SwitchやiPhone15/16との互換性があり、Xreal Air 2 Proにも対応しています。メッシュケーブルとアルミボディを採用しており、耐久性と放熱性に優れています。
Appleは、主にMacと接続して使うことを想定したARグラス「N107」を、社内のレビューで低評価を受けたためキャンセルしました。このデバイスは2027年の発売を予定しており、iPhoneとの接続も計画されていましたが、処理能力とバッテリー寿命が課題となっていました。最終的に性能や価格面で期待を下回ったことがキャンセルの要因です。しかし、AppleはAR技術の取り組み自体は継続する予定で、将来的には他のプロジェクトにその技術を応用する意向です。